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作品紹介 「花葬」  作者 黄間友香

 

時代小説のご紹介

kakuyomu.jp

 江戸時代の雰囲気を持つ遊郭が舞台の小説。

 本来の名を失った女郎は遊郭では花の名前であり、主人公は「女郎花(おみなえし)」。

 女郎花の目に映る遊郭での出来事が、薄暗い雰囲気作りで描かれている。その筆致は淡々としていて、主人公と女郎達が生活で感じている幸薄い感覚を読者に伝えます。

 淡々とした流れで進む中、たまにゾクッとする場面があります。その場面が女郎達の日常に潜む危険と、女郎達が常に持たねばならない覚悟を読者に理解させ、作品の緊張感を失わせない。

 

 けっして明るいストーリーではないので読者を選ぶ作品かもしれない。しかし、独特の薄暗い作品世界が苦手じゃないなら楽しめる作品で、個人的には今後の展開と結末が気になる作品です。

 ちょっとしたというより、1時間程度の空き時間があるとき作品世界を楽しんでいただきたい。