作品紹介 「――ただのおむすび、されどおむすび。」 作者 結愛みりか
ほのぼのとする短編をご紹介。
仕事で忙しく妻とのコミュニケーションの時間を十分とれない夫。
夫のことを思いやりおむすびを用意する妻。
おむすびを用意する妻の心情と、そのおむすびを食する夫の心情が描かれた、どこの夫婦にも必ずある生活の一コマが描かれた作品です。
「おむすび」に象徴されている、夫婦の絆とお互いをおもいやる心が描かれ、ほのぼのする内容になっています。
この作品のテーマを考えると、おにぎりではいけない。おむすびでなくてはならない。その語感そのものが、本来、どのような食事でも構わない……夫婦を結びつける食事のあり方をこの作品では意味しているから。
夫婦、恋人、兄弟、親子、どのような関係でも構わない。
食事でなくても構わない。
誰かのために何かをするときの気持ち、何かをしてくれた相手の気持ちをほんの少し思いやるとそこには絆が生まれるのだと優しく語りかけてくれる短編です。
ほんわかとした気持ちでお読みください。