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WEB小説(特にカクヨム)の紹介をメインにその時々の雑記

雑記 小説投稿サイト(特にカクヨム)への個人的見解

 昨日、ネット上で見かけた投稿サイトへの誤解や無知から生じる意見を目にして、で、そんなことはないと言いたくて……以下。

   

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 カクヨムでは(多分他の投稿サイトでも傾向は概ね一緒でしょう)

 

 ・サイトのトップページに載ると読者を自作へ集めやすい。

 (必ず集まるわけではない)

  載らない作品は倉庫で眠ってるような状態です。

   

 例外は、書籍化された作品、著名な作家の作品、何かしらのコンテストへ応募し注目され口コミで人気が出た作品、そして「はてブやWEBのような注目されてる場所」で紹介された作品です。

 

※ 最近(2017/09/09数日前から)「異世界転生したけど日本語が通じなかった」で生じた例はとても興味深かった。はてブとねとらぼで紹介される前からこの作品をたまたま知っていて、個人的には発想が面白いなと思っていました。だけど紹介される前は、小説家になろうでもカクヨムでもさほど読者を集めていなかったし、私も、面白いけれどニッチな層を狙った作品だなぁと思っていました。紹介された機に多くの読者を集めることとなって本当に良かった。

 

 一部の例外を除くと、なかなか読者が集まらない。

 それが投稿サイトです。

 

 これはこれから投稿サイトを利用しようと考えている方にはしっかりと覚えていただきたいことです。投稿したものの全然読者が集まらないなどと愚痴を言っても仕方ありません。だってもともとそういう場所なのですから。

 

 

・面白い作品だから読者が集まるの?

 

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 「読者が集まらないのは面白くない作品だからだろ? 」

 

 そう言う方が居ます。

 ネットでもしばしば見かけます。

 

 ですが読まれていない作品が面白いかどうかなど、誰が判断できるのでしょう?  

 (作家の多くは、読者は面白いと感じてくれるだろうと期待して作品創作していると思うので、 作家の意見はここでは除外)

 

 それに「面白い作品」というのは、読者の数と同じだけ評価は異なるものだと思います。

 

 私は息子が購入したラノベを読む機会がありますが、”さすが書籍化されただけあって面白い”と思う作品もあれば、”なんでこれが書籍化され面白いと言われてるのか判らない”作品もあります。同じように、カクヨムでも多くの読者を集めている作品であろうと面白い作品もあれば、つまらないと感じる作品もあります。世代による違い、趣味の違い、視点の違いなどなどで感想に違いが出てくる。

 

 細かく技巧尽くされた描写があるじっくりと読むべき文芸作品を面白いと感じる読者も居れば、描写は簡潔でストーリー展開が早く判りやすい個性のキャラクターが動き回る文芸的とは言いづらい作品を面白いと感じる読者も居る。

  設定を事細かに説明した地文が多い作品を面白いと思う読者も居れば、会話文が多い作品を面白いと感じる読者も居る。

 時代考証がしっかりしている作品を面白いと感じる読者も居れば、そんな細かいことと気にもせず、時代考証面から見ればいい加減な作品を面白いと感じる読者も居る。

  その他多くの要素が複合的に混じって、読者毎に面白いと感じる作品がある。

 読者がどのように楽しもうと読者の自由です。

 

 「描写や技巧が巧い作品」は、読者が面白いと感じるか否かは別にして、巧拙の評価はある程度安定するでしょう。

 

 ですが、面白い作品となれば、読者の数だけある。そして数多くの方から面白いと思われる作品が人気作と呼ばれ、商業面での成功する可能性ありと見られチャンスを掴むことができた作品が書籍化されることもある。そういうものだと思います。技巧的に優れている作品だからといって、読者が面白いと感じてくれるわけではないのが難しいところですし、創作の面白いところです。

 もっと言えば、間口の広い世界なのだろうと思います。

 

 WEB作家は、素人の集まりと言っても過言ではありませんが、それぞれに考えてそれぞれが面白いと感じる作品をサイトに投稿しています。そして一人でも多くの方に作品に触れていただいて、その中から自作を面白いと感じてくれる読者と出会うことを期待しています。

 

 もちろんより多くの方に面白いと感じて貰えるよう、それぞれに努力しています。その成果が実ってる方も居ますし、私のように駄作しか創作できない者も居ます。

 (ま、だから私は自作の紹介宣伝などする気にもならないのですが)

 

 より多くの方に面白いと感じていただくためには、作家自身が良い作品を生み出す努力と、多くの方に読んでいただく必要があります。

 

 作家の力だけではどうにもできないこと。

 それが、数多くの方に読んでいただくことです。

 自分の作品を「面白い」または「つまらない」と感じてくださる読者と数多く出会うことです。

 

 読者を集めたいと考えてる作家のうちで積極的な作家は、SNSや自身のブログで宣伝します。人によっては複数の投稿サイトへ同じ作品を投稿して、一人でも多くの方に読んでいただく努力しています。

 ですが、先にあげた「一部の例外」を除くと、その効果はたいしたものではありません。

 

 これは個人的な感想で、作家さん達から怒られてしまうかもしれないのですが、作家にはシャイな方がとても多く、話せば気さくな方でも、大勢の方と積極的にフランクに話そうとはしません。

 同じ創作趣味を持つ方以外と話すことに苦手意識を持ってらっしゃるのかな? と感じることもあります。

 

 ですから、作家同士の繋がりの外になかなか広がらない。

 だから読者もそう増えることはない。

 

 これを作家の自業自得と感じる方も居るのでしょう。

 そうかもしれません。

 

 でも私はそうとばかりは思いません。

 作家以外のTwitterの参加者を見てもそうではありませんか。ほとんどの参加者はフォロワーをさほど抱えていない。数を抱えれば良いとも思いませんが、少なくとも参加者の多くはマーケティングなど意識せずに利用して楽しんでいる。

 

 それに、誰もがアルファツイッタラーのように大勢から注目されフォローして貰えるような話題を持たない。

 

 作家が持っているのは作品だけです。

 極端に言えば、その作品について語ることしかできない。

 絵師のように、SNSに作品をあげてフォロワーが一目で内容を理解してもらえるように載せることもできないから、SNS上で評価を受けることもない。

 

 ここまで読んだ方に誤解して欲しくないのは、作家側から歩み寄らなくても、読者から歩み寄ってくれ……などとは私は思っていない点です。作家側にも、もし多くの読者が欲しいと思うのであれば、自作を作家以外の読者へ届ける更なる努力は必要だと思っています。

 

 

・相互評価という批判について

 

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 前述したような状況で、投稿サイトを利用して、自作を読者の目に届けるための手段が、結果として相互評価と見られる行為に繋がっている……繋がってしまっていることが多く、たまに批判されているのを目にする。こういった批判は、一般の読者だけでなくサイトに参加している作家からも出ることがある。

 

 ですが、数百人以上の読者が集まったなら、せいぜい十数人から多くても百人も居ない作家同士の評価など目立つはずがありません。数百人の作家同士の相互評価なんて聞いたことがない。

 現状は、作家同士がお互いの作品を読み、その中で面白いと感じた作品に対して評価する件数が増えると相互評価と呼ばれ、実情を知らない方から批判されているようです。

 

 過去には、コンテストで読者選考と呼ばれる選考を通過するために、「相互評価」によって不正(?)まがいのことがカクヨムでも行われたこともあったようです。ですが、そういったことはカクヨム利用している作家の中からクレームが出て運営も対応してきたようです。

 まだいくらか「意図的な相互評価」(作品がどうあれとにかく好評価する)行為は残ってるのかもしれませんが今では見当たらない。少なくとも私は見たことはない。

 もしそういうことが生じていても、すぐ対処される環境があるというのは強調したい。

 

 ですから、もう一度書きますが、ネット上で「相互評価」と批判されている事象は、意図的に生じているのではなく、結果としてそう見えているだけのケースがほとんどだということです。

 作家仲間の作品だから、面白いと感じても評価してはいけないなどという方がいらっしゃるとは思ってません。誤解で批判されるのは、せっかく面白い作品を創作した作家さんが可哀想だと思うのです。

 

 

 

 そろそろ3000字を越えたので、今回はここらでおしまいにします。小説での話になりますが、一話が3000字前後までに収まるように意識しているのでブログでも気になるんですよね。

 

 他にも感じていることはありますが、それはまた別の機会に。