作品紹介 「永遠の愛は、胸が痛むほど、」 作者 安室凛
憧れから始まった恋愛作品をご紹介。
憧れていた無敵のテツと付き合うことになった高校二年の「私」が、大学二年、社会人二年になった時に感じている気持ちが作品化されています。
高校生の時、泰然として不敵だったテツが、大学二年で様子が変わり、社会人二年目では「私」のヒモ同然になっていく。そのテツに寄り添う「私」。
「私」の中でもテツへと自分自身への視線が変わっていく。
そして今のテツに対しても愛情があることを自覚し、憧れていたテツではなく今のテツと向き合う覚悟を決めてこの作品は終わる。
「富士見L文庫×カクヨム 美味しい話&恋の話 短編小説コンテスト」の中間選考を通過し、現在、最終選考の候補となっていて、女性の視点で読んでも、男性の視点で読んでも、何かしらの感情が湧いてきて切なく刺さってくる。
ラブラブで楽しいわけでも、ハートブレイクで辛いわけでもありません。これからの二人の先にはトラブルが待ち受けている予感もします。
それでも、「私」かテツに、どこか自分を重ねてしまうところがあり、作品世界に引き込まれる作品です。