作品紹介 「死にかけ皇子と冥婚の后」 - 作者 ココナッツ
「第3回カクヨムweb小説コンテスト」に応募した作品も何とか完結させ、この間に積ん読状態だった作品をボチボチ読み始めております。(皆様にはどうでもいい個人的事情で言い訳を)
今回は、冥婚という死者の婚礼を扱った恋愛モノをご紹介。
主人公の陽姫は、鄭国(ていこく)に亡命中の陽国王の一人娘。
愛嬌のある大きな瞳とふっくらとした頬が愛らしい、生まれながらに幸運に恵まれているお姫様。
そんな陽姫があるとき、翡翠でできた蝉の玉が入った赤い絹の巾着を拾う。
それは冥婚を承諾した行為。
冥婚のことなど知らない陽姫は、さる屋敷に連れ去られ死者との婚姻を迫られる。
迫ったのは鄭国の皇帝、死者は皇太子だった……。
その皇太子の霊が陽姫には見え、会話できたところから、この作品は始まります。
陰謀渦巻く宮廷と後宮の争いに陽姫は巻き込まれ、そして皇太子との恋愛もすすみます。
皇太子に徐々に惹かれていく主人公の様子が愛らしく、また、怒濤のように描かれる後半の騒動に、一気に読ませる力がこの作品にはあります。
漢字が多く敬遠される方も多い中華モノでありながらとても読みやすい。
主人公がハッピーエンドを迎えるまでの騒動を随所で堪能していただける作品です。